「スメルズ ライク グリーンスピリット」を紹介!【おススメの漫画vol.1】

「スメルズ ライク グリーンスピリット」は永井三郎さんによる漫画です。掲載雑誌は「ふゅーじょんぷろだくと」ですが、電子サイトで読むこともできます。

どこかで聞いたようなタイトルですが、同じタイトルの曲が洋楽のニルヴァーナにあるからですね。しかしながらこの漫画は洋楽やニルヴァーナに憧れてバンドを結成するようなお話ではなく、「ホモっぽい」といじめを受ける男子と彼をいじめていたけれど実は自身もセクシャリティーに悩んでいる男子の二人の物語です。ありきたりな「ボーイズラブ」ではありません。

「周りとは違う」男子2人の出会い

ド田舎の男子中学生である三島は「ホモっぽい」とまわりの男子にいじめられますが、同性愛者である三島はとくに抵抗もしません。三島は夜中にこっそり母親の口紅をつけて女装することに喜びを感じていました。実際に女装した三島は女の子にみえるほどに美しいのです。

ところが、ある日口紅をなくしてしまいます。口紅を持っていたのは、彼をいじめていた主犯の桐野です。学校の屋上で三島は桐野が口紅を塗ろうとするところを目撃してしまうところから、物語が動き出します。実は桐野も自身のセクシャリティに悩む男子でした。

桐野が三島にきつくあたっていたのは三島を見ていると「パンドラの箱」開きそうになるからでした。しかしながら学校の屋上で口紅を塗ろうとしているところを見られたことで桐野は三島に心を開き、二人は友達になります。2人で屋上で「かっこいいと思う男性の先生」について語ったり、桐野が自分の母親のマスカラを持ってきたり、きらきらとした友情が描かれていきます。

普段は男らしく男子のなかでも一目置かれている桐野ですが、屋上で三島と2人きりのときには「アタシ」と「オネエ言葉」が炸裂するのでした。このまま2人はずっと仲良くいられるのかと思いきや、物語は切ない方向へと進んでいきます。

ボーイズラブにみせかけてボーイズラブではない

男らしい桐野と華奢な三島の組み合わせは典型的な「BLカップル」に見えますが、この漫画が「ボーイズラブ」かというと意見が分かれるところです。桐野は「オネエ言葉」を使い学校の男性の先生に淡いときめきを感じつつも自分が同性愛者なのか葛藤している部分が見られます。おそらくセクシャルマイノリティの方ならぶつかることの多い問題かと思いますが、桐野はこのことを母親に知られたらどうしよう母親を傷つけてしまうのではないだろうか、と悩みます。

三島は「オネエ言葉」は特に使いたいという気持ちはありませんが、女装することを楽しみ同性に恋心を抱きます。2人は大きいくくりで言えば「同性愛者」で「ゲイ」なのですが(漫画の中では登場人物が男子中が鵜せいだということもあり「ホモ」という表現が多く使われます)、まったく同じというわけではないです。

三島と桐野のお互いに抱く気持ちも漫画の中ではっきりとは「恋愛」としては描かれません。どちらかというと「秘密を共有した親友」のような印象が強いです。男子中学生という多感な時期の繊細な感情の揺れが、笑いもシリアスも交えつつ描かれているので、BLを好む人はもちろんのこと、BLが苦手という方も読みやすい漫画です。

まとめ

人を愛すること、自分は何が好きなのか悩むことは誰にでもあると思います。「こんなことしたらまわりに変に思われるかな」「親の期待に応えなくちゃ」というプレッシャーは思春期に経験することが多いものではないでしょうか。

同性愛の経験がなくとも「スメルズライクグリーンスピリット」は読んだ後にほろ苦い切なさとどこか暖かい気持ちを残してくれる漫画です。2巻で完結するので、あまり長い漫画は読めない人にもおすすめできます。三島と桐野の行く末をぜひ、あなたが読んで確かめてください。

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